ヨセミテ国立公園について --- まずはじめに

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ヨセミテ国立公園は1851年に一般に知らされ、1890年に国立公園として制定された古い公園で当時はもちろん自動車道などなく年間1000人程度が訪れるのみでした。ヨセミテは現在年間約400万人を集めるアメリカでももっとも人気が高い国立公園のひとつとなっています。
アメリカの人口は東部に集中しているので、そこから飛行機で数時間かかる西部にある公園ということを考慮するとこの数値のすごさが分かります。もちろんわれわれも含めて外国人もたくさん訪れます。
ヨセミテはそのすばらしい景観と自然環境から世界遺産にも指定されています。

このページは98年6月頃の情報で書かれています。また以下の本を参考にしています。
"Complete Yosemite guide (97情報付き)","NPS発行: Yosemite Guide 98/6","National Geographic's Guide to National Parks(97年版)","Map&Guide to Yosemite Valley(Revised)","地球の歩き方:アメリカの国立公園(95-96)"
3次元グラフィックデータはUSGS提供のDEMを使用、2次元グラフィックはYahooのMapページを使用しました。
写真はすべてわたしが撮影したものなのであなたも同様な、あるいはもっとすばらしい光景を目にできるでしょう。

更新情報
ヨセミテロッジの予約用電話番号の局番が変わりました(559-252-4848)


注)ヨセミテ国立公園(およびキングスキャニオン国立公園)は1997年1月の歴史的な大洪水で大きなダメージを受けて、キャンプ場や宿泊施設にも影響がありました。もしお持ちのガイドブックが1996年以前のものなら念のため最新情報の確認をお勧めします。


loc.jpg (13112 bytes)ヨセミテは西海岸のカリフォルニア州にあります。西海岸を貫くシェラネバダ山脈のもっとも高い部分をハイシェラと呼びますが、ヨセミテはそのハイシェラの北側に位置しています。

一般にはサンフランシスコからのツアーあるいはレンタカーとなるでしょう。ロスアンゼルスからもいけますがやや遠くなります。ロスアンゼルスから行く場合で約6時間強かかります。後述していますが山中にあるためふもとまではそれほど時間は掛かりませんが、そこからの山道が時間が掛かります。

グランドキャニオン等の場合は夕日に間に合うように到着時間を計算するということもよくやりますが、ヨセミテの場合谷間なので夕日があまり谷に入らないようです。ただしハーフドームなどの高所は夕日に照らされた姿が見られます。

road2yose.jpg (13373 bytes)車で行く場合はガソリンに常に注意することが必要です。南側から行く場合はワオマにガスステーション(ガソリンスタンド)があるのが最後です。マリポーサ方面からならクレーンフラットが最後です。97年末でバレー内にあったガスステーションは撤去され、現在ヴァレー内にガスステーションはありません。ヴァレー内でガソリンがなくなった場合には給油のため30分から1時間かけてワオマかクレーンフラットに出る必要があります。ワオマでのガソリン単価は分かりませんが、自然保護のためにも楽するためにもFish CampやOak Hurstで給油してヴァレー内は別な項にあるようにバスを使うのが得策です。さらに将来的にヨセミテ公園内には上高地のように一般車両は入れなくなります。

gate.jpg (7732 bytes)入園料は国立公園でもっとも高い$20でレシートを提示する限り一週間有効です。他にも国立公園を訪れる予定の人は一年間フリーパスのゴールデンイーグルパス($50)の購入をお勧めします。紙製のものですが、お土産の少ないアメリカではよい記念にもなるでしょう。ゴールデンイーグルパスはゲートで買えますが、ゲートでは支払いは現金のみなので現金を少し余分に持っていくほうがよいです。(園内ではカードが使えます)

ルートは大きく分けて、ネバダ側からタイオーガルートを通って入ってくるというのと西側からはマリポーサ経由、フレズノ経由の三種類があります。SF2yose.jpg (9425 bytes)

わたしは国立公園のトップページにもあるように、遠回りしてもサウスゲートから入ることをお勧めします。やはりトンネルビューの景観を初めに目にするというのは素敵なことです。わたしは二回目に同じルートをたどって今回はそれほど感動は無いだろうと思ってましたが、ブライダルベール滝がダイナミックに流れ落ちる様は前回の感動をも上回るものでした。この場合サンフランシスコ方面からくる時でもフレズノまで行く必要はありません。


ヨセミテは年中シーズンといえますが、春から秋にかけてはかなり込み合います。特に5月末の週末(アメリカではメモリアルデイウイークエンド)は込み合います。(ヨセミテロッジのページも参照してください)

また、ヨセミテはシェラネバダの山中にあるため冬はかなり降雪があります。そのためタイオーガロードとグレイシャーポイントは冬(場合によっては春・秋)にいくことはできません。その代わりグレイシャーポイント近辺はバジャーパスというスキー場になります。

ribbon97.jpg (6353 bytes)ribbon98.jpg (9166 bytes)もっともよいシーズンは5-6月くらいであると言われます。なぜなら冬季の降雪で春には川の水量が増えてヨセミテの見所の一つでもある滝の水量が増えるからです。わたしは9月と6月に行きました。夏を過ぎると各滝の水量は少なくなっていって、有名な滝ではリボン滝(エルキャピタンの横)、ヨセミテ滝、ブライダルベール滝の順で枯れていきます。特にリボン滝を見るためには早いうちに行かないと行けません。
左の写真が9月で右の写真が6月です。ハイライトされた位置がリボン滝の場所です。
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5-6月では各滝の水量が多いだけでなく、本来滝のない谷の岩面からも水が滝のように流れでていて無数の水の流れが訪問する人々をつつんでくれます。そうして谷全体がダイナミックに生を営んでいるという感じがします。右の写真はロイヤル・アーチというビレッジ近くのヨセミテ特有の花崗岩の岩肌ですが、表面に多数の滝筋が見えます。

ただし、この季節は前記のようにグレイシャーポイントに雪が残っている可能性がまだあり、事前の確認が必要です。わたしは98年の6月に行きましたが、まだグレイシャーポイントへの道は開通していませんでした。

天候に関して言えば、ヨセミテはわりと晴天が多くとくに5−10月の晴天率は7−9割に及びます。


ヨセミテに限りませんが国立公園では園内と園外のどちらに泊まるか、という選択がまずあります。

園内には自然保護のためそうやたらと宿泊施設は作れません。そこで園内は園外とは宿泊施設の管理が異なり、著名公園(ヨセミテ、グランドキャニオンなど)では特別な連絡先があります。ヨセミテの場合それはYCS(Yosemite Comission Service)です。
連絡先は電話番号001-1-559-252-4848です。日本からかけるときは時差をお忘れなく。また郵便でも受けていて、
Yosemite Reservations
5410E,. Home,
Fresno, CA 93727

です。自分の連絡先と人数、どこに泊まりたいか、いつ到着するか、何泊するか、第二希望で可能な日を書いて送ります。第三第四希望も書いたほうがいいかもしれません。


アワニーホテル、ヨセミテロッジ、カリービレッジ、キャンプ等がヨセミテ園内での宿泊手段です。

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アワニーホテル
約$200
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ヨセミテロッジ
$100前後
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カリービレッジ
$50前後

アワニーは典型的なリゾートタイプの豪華ホテルでアメリカ人が一度は訪れたいホテルと言われています。ヨセミテロッジはヨセミテではもっとも一般的な選択でモーテル風の内装です。カリービレッジはもっともエコノミカルな選択ですが大半のキャビンはバスなしのはずです。(共同のシャワーがあります)

園外には通常のベストウエスタンやトラベロッジなどの一般モーテル・ホテルやB&B(ベッド・アンド・ブレークファースト=日本で言うペンションのようなもの)などを利用します。これらは園のすぐ外にあることも多いのですが、ヨセミテやセコイア国立公園等の場合、園の中心地への道のりのわりに勾配がはげしく往復の時間がかなりかかります。できれば園内の宿泊がお薦めです。

ヨセミテの場合、すぐ園外にフィッシュキャンプ(Fish Camp)という町があり、そこにB&Bがいくつかあります。またフレズノ(Fresno)から約45マイルいくとオークハースト(Oak Hurst)という比較的大きな町がありここにモーテルが何件かあって安く宿泊が可能です。

bestwestern.jpg (8920 bytes)わたしはヨセミテにいく途中にここオークハーストに前夜宿泊しました。写真にあるベストウエスタンです。ここは日曜の夜ということもあってたしか$50前後の格安値段で泊まれました。通常はこのチェーンは$70-80前後でモーテルとしては高い方ですが設備もその分よくて清潔かつ静かです。

つまりアメリカでは(なんでもそうですが)ほぼ宿のクラスと泊まる人のクラスが比例しています。ある程度高い宿泊施設なら夜出会う隣人はにっこり挨拶してくれる品のよい老夫婦ですが、安いところだと夜中ばりばり車の音をさせたり大きな声でわめいたりする人たち、ということです。

 

ここからヨセミテのゲートおよびフィッシュキャンプまでは約15マイルです。しかしゲートからヨセミテ観光の中心であるヨセミテヴァレーおよびグレイシャーポイントまではさらに約1時間ー1.5時間はかかることを心に留めておいてください。
またマリポーサにもチェーン系のモーテルなどがあります。

5ー6月は前記のようにヨセミテのハイシーズンであり、メモリアルデイ付近とも重なりもっとも宿の確保が大変です。数ヶ月前からの予約をお勧めします。しかし、キャンセルがあるので一応だめもとで連絡するのも手です。アワニー等は一年前からふさがるということも言われています。


国立公園は来る人の観光のためではなく、自然保護を主目的にしているので観光客がみることのできるエリアよりも公園の面積ははるかにおおきいのです。

yose3d.jpg (9036 bytes)ヨセミテの場合、観光はヨセミテヴァレーという氷食地形の美しい谷間とそこに隣接したグレイシャーポイントというすばらしい眺望がえられる高台が中心です。バスによるパックツアーの場合はほとんどここに限定されるでしょう。左の3次元図形はヨセミテヴァレーの起伏を教えてくれます。

他の地域ではマリポーサグローブというセコイアの群生域、ワオマと言うヨセミテの歴史的な場所、タイオーガロードという主要道を通ってツオルムメドウという草原が主な見所です。

この他にもヒッチヒッチーというエリアがあります。またヨセミテ公園内ではありませんが近傍のR395にぬけてすぐのモノレイクはラスベガス、デスバレー(&ロス)方面に抜ける人には是非お薦めです。

bus.jpg (9061 bytes)ヨセミテヴァレーもさらにヨセミテビレッジやカリービレッジ、ヨセミテ滝などに別れています。ビジターセンターはヨセミテビレッジにあります。観光の中心となるヴァレーでは無料のシャトルバスが走っていて旅行者の足になってくれます。園内のパーキングは込むので車で来園するひとも昼はシャトルを使うのが得策です。夜10時くらいまで運行していたと思います。

tour1.jpg (9253 bytes)トンネルビューやブライダルベール滝は少し離れていて無料シャトルバスのルートではありませんが、ヴァレーフロア周遊のための別のバスが走っていてこれらを見に行くことができます。右の写真がこの周遊バスツアーです。

さらにグレイシャーポイントまではヴァレーから45マイルほどありビレッジからは約1時間から1.5時間掛かります。ここにはグレイシャーポイントまでのツアーバスが走っています。

 

 

ヨセミテはただ雰囲気に浸るだけでも最高の場所ではありますが、他にトレッキングやサイクリングなどのアクティビティもすばらしい体験です。

bike.jpg (10934 bytes)自分のアクティビティで行く場所を選択する、というのも賢明なことです。例えばツオルムメドウなどではハイキングとかキャンピングがメインのアクティビティなので、絶景だけを期待していると肩透かし、ということになります。(もちろんタイオーガロードの途中の風景はすばらしいのでドライブもお勧めです)

またヨセミテやグランドキャニオンのような大きな国立公園の場合、パークレンジャーが定期的なプログラムを開催しています。グレイシャーポイントの項にすこし触れましたが、英語が分からなくてもレンジャーは身振り手振りでおもしろく話してくれるのでぜひお勧めです。

 

risu.jpg (12375 bytes)shika.jpg (9882 bytes)また季節を通して動物・植物相も豊かです。ヨセミテには約350種類の動物と約1400種類の植物があります。
公園内でよくみる動物はリスで朝自分の部屋のバルコニーでくつろいでいるときてくれたりもします。またシカ(Mule Deer)も公園内に来ます。シカを見るためには草原にチェックをいれてください。


bear.jpg (8975 bytes)会いたいような会いたくないような動物がクマです。カリフォルニアで見かけるクマはブラックベアという種類でカリフォルニアの州旗にも描かれています。一般にグリズリーとして知られている大きなクマは灰色グマという種類でロッキー山脈やアラスカに生息してます。(特にキャンプ目的や車で)ヨセミテを訪れる観光客が知っておかなければならないことはクマの嗅覚が異常にするどく、食べのこしに対してとても敏感なことです。必ず食べかけや口の開いた食品類はパックされた容器に入れておかねばなりません。backpacker.jpg (5691 bytes)
万一、トレイルでクマに遭遇した時にはよく「死んだフリ」というのがありますが、YosemiteGuideにはこういう場合姿勢を低くすることが書かれています。クマは主に昆虫を食べるおとなしい動物でこちらから攻撃してはいけません。とくに子どもを連れているクマには要注意です。
ちなみにまず観光客が遭遇することはありませんが、バックカントリーには危険なピューマがいてこれと遭遇した場合には姿勢を高くしてなにか投げつけて威嚇すること、もし立ち向かってきたら戦え、とあります。。。どうやってとは書いてませんが。


アメリカの国立公園はNational Park Serviceという公的組織が管理していて、園内はパークレンジャーというスタッフがサポートしてくれます。大きな国立公園ではパークレンジャーがプログラムを開催しています。

また彼らには園内の自然を研究したり、治安を維持するという役目もあり園内では実質警察と同様の権限もあります。


一番上のガイドマップから行きたいところをクリックして自由にヨセミテを楽しんでください。
または、皆さんを順番にページを案内するツアーにお連れします。各ページを読み終えたらこのバスのアイコンをクリックしてください。初めての方はこちらがお勧めです。

tour.jpg (1864 bytes)はじめはワオマ・マリポーサです。セコイアの巨木があります。

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